2012年04月18日
相続手続の話 その2 戸籍の用語
こんばんは
行政書士の酒井です。
前回、戸籍の話に触れましたが、今回はその補足説明を書いてみます。
戸籍には、「現在戸籍」、「除籍」、「改製原戸籍」があります。
「戸籍を提出してください」といわれて役所にとりに行くのは、だいたい現在戸籍ですよね?
生存している日本国籍の人は、本籍地の役所で取得できます。
未婚の方の本籍地は、出生時に親の戸籍に入ってそのままということが多いと思います。
結婚している方は、婚姻時に新戸籍を作ったか、あるいは夫または妻の戸籍に入籍していたりします。
本籍地というのは、戸籍を置いている場所ですが、これは自由に決めることができます。
現実にはあまりないと思いますが、婚姻時に新しい戸籍を作るときや、転籍するとき、新たに本籍地を決めることになりますが、住所地が沖縄である人が、東京のある場所を本籍地にすることも可能です。
(住所と本籍地は連動していないので、現在住んでいる市町村に関係なく本籍地を決めてかまいません。ただし、遠くに本籍地を置くと謄本を取得するのが面倒です・・・)
住所地と本籍地がぜんぜん違う場合、本籍地が分からない(知らない、忘れた)ということもあります。
私は愛媛県で出生して、父親の実家が本籍地でしたが、住んでいたのは全然別のところでしたので、本籍地はどこ?といわれてもぜんぜん分かりませんでした。(未成年の間に戸籍謄本を取得することってほとんどなかったと思います)
そういう場合、本籍地が分からないと戸籍の請求を出すことができませんが、簡単に本籍地を知る方法があります。
それは、住民票を「本籍地の記載あり」で請求する方法です。
住民票を請求するときの請求用紙に、本籍地の記載の要否の欄がありますので、そこに必要と記載すればいいです。
(住民票を請求する際、役所の人が「本籍地、続柄等の記載は必要ですか?」と聞いてくれます。)
また、運転免許証(ICチップ入りでないもの。現在新たに発行される運転免許証には本籍地の記載がありません)にも本籍地の記載があるのでこれも参考にできます。
つぎに、「除籍」について。
除籍には、大きく2つの意味があります。
一つは、前回にも触れた、ある戸籍に記載されている人が亡くなった場合や、婚姻によって他の戸籍に移った場合に、戸籍から除かれることを指します。具体例をあげれば、父と母と子の戸籍から、子が婚姻により新たな戸籍を作り、当該戸籍から除かれるような場合です。この場合、父と母は当該戸籍に残っていますので、戸籍自体は現在戸籍として残っています。
二つめは、ある戸籍に記載されている人「全員」が、死亡や婚姻によって戸籍から除かれ、当該戸籍に誰もいなくなったという場合です。上記と同様の事案で言えば、父と母と子の戸籍から、子が婚姻によって新戸籍に移り除籍された後、父と母が亡くなり除籍され、当該戸籍に誰も記載されなくなったというような場合です。
死亡による除籍の場合は、死亡の年月日等が記載されることになりますが、婚姻等で他の戸籍に移った場合は、移った先の戸籍がどこにあるか記載されます。
つぎは「改製原戸籍」についてです。
戸籍は、昔からずっと同じ形式ではなく、戸籍法の改正で、記載方法が変わっています。
日本の戸籍の歴史は非常に古く、7世紀ごろの戸籍もあるそうです。
戸籍(除籍、原戸籍)は保存期間(以前は80年、現在は150年)があるので、実際に役所で取得可能なものとしては、以下の戸籍になります。
①明治19年10月16日~明治31年7月15日(明治19年式戸籍)
②明治31年7月16日~大正3年12月31日(明治31年式戸籍)
③大正4年1月1日~昭和22年12月31日(大正4年式戸籍)
④昭和23年1月1日~(昭和23年式戸籍 現行の戸籍)
⑤平成6年12月1日~(コンピュータ化)
法律が改正されて記載方法が変わる際に、戸籍は書き換えられ、新しいものになります。
これを「改製」といいます。(簡易改製などの例外もありますが・・・)
現在の戸籍は昭和23年からのもので、平成6年からはコンピュータ化されている場合もあります。
戸籍が改製される場合、改製前と改製後の記載内容に異なるところはありません。
ただし、改製時に写すのは、その時点でその戸籍に記載されている事項だけですので、除籍になっている者は写されません。
改製後の戸籍だけを見て相続関係を調べたのでは、改正前に除籍になっている人を見落としてしまいますので、改製されている場合は改製前の戸籍、つまり原戸籍を調べる必要があります。
最後は戸籍の記載文字について。
現在の戸籍はコンピュータ化されたものが多く、文字も活字で読みやすいですが、改製原戸籍など古いものは、手書きで書かれており、しかもB4をスキャンした画像として記録されたものを、A4に縮小してプリントアウトするので、文字が非常に読みにくいことがあります。
達筆すぎたり、ひどいクセ字だったりで、もうお手上げということもありえます・・・
そんなときは、その市役所の職員さんに尋ねるのが一番です。なんといっても、一番その文字を読んでいるのは市役所の職員さんですからね
だいたい、親切に教えてくれるとおもいます。
今回の記事、具体的な戸籍を示していないので、ちょっと分かりづらかったですかね・・・
次回も相続手続について書きます。
ではまた
↓当事務所ホームページ↓
行政書士の酒井です。
前回、戸籍の話に触れましたが、今回はその補足説明を書いてみます。
戸籍には、「現在戸籍」、「除籍」、「改製原戸籍」があります。
「戸籍を提出してください」といわれて役所にとりに行くのは、だいたい現在戸籍ですよね?
生存している日本国籍の人は、本籍地の役所で取得できます。
未婚の方の本籍地は、出生時に親の戸籍に入ってそのままということが多いと思います。
結婚している方は、婚姻時に新戸籍を作ったか、あるいは夫または妻の戸籍に入籍していたりします。
本籍地というのは、戸籍を置いている場所ですが、これは自由に決めることができます。
現実にはあまりないと思いますが、婚姻時に新しい戸籍を作るときや、転籍するとき、新たに本籍地を決めることになりますが、住所地が沖縄である人が、東京のある場所を本籍地にすることも可能です。
(住所と本籍地は連動していないので、現在住んでいる市町村に関係なく本籍地を決めてかまいません。ただし、遠くに本籍地を置くと謄本を取得するのが面倒です・・・)
住所地と本籍地がぜんぜん違う場合、本籍地が分からない(知らない、忘れた)ということもあります。
私は愛媛県で出生して、父親の実家が本籍地でしたが、住んでいたのは全然別のところでしたので、本籍地はどこ?といわれてもぜんぜん分かりませんでした。(未成年の間に戸籍謄本を取得することってほとんどなかったと思います)
そういう場合、本籍地が分からないと戸籍の請求を出すことができませんが、簡単に本籍地を知る方法があります。
それは、住民票を「本籍地の記載あり」で請求する方法です。
住民票を請求するときの請求用紙に、本籍地の記載の要否の欄がありますので、そこに必要と記載すればいいです。
(住民票を請求する際、役所の人が「本籍地、続柄等の記載は必要ですか?」と聞いてくれます。)
また、運転免許証(ICチップ入りでないもの。現在新たに発行される運転免許証には本籍地の記載がありません)にも本籍地の記載があるのでこれも参考にできます。
つぎに、「除籍」について。
除籍には、大きく2つの意味があります。
一つは、前回にも触れた、ある戸籍に記載されている人が亡くなった場合や、婚姻によって他の戸籍に移った場合に、戸籍から除かれることを指します。具体例をあげれば、父と母と子の戸籍から、子が婚姻により新たな戸籍を作り、当該戸籍から除かれるような場合です。この場合、父と母は当該戸籍に残っていますので、戸籍自体は現在戸籍として残っています。
二つめは、ある戸籍に記載されている人「全員」が、死亡や婚姻によって戸籍から除かれ、当該戸籍に誰もいなくなったという場合です。上記と同様の事案で言えば、父と母と子の戸籍から、子が婚姻によって新戸籍に移り除籍された後、父と母が亡くなり除籍され、当該戸籍に誰も記載されなくなったというような場合です。
死亡による除籍の場合は、死亡の年月日等が記載されることになりますが、婚姻等で他の戸籍に移った場合は、移った先の戸籍がどこにあるか記載されます。
つぎは「改製原戸籍」についてです。
戸籍は、昔からずっと同じ形式ではなく、戸籍法の改正で、記載方法が変わっています。
日本の戸籍の歴史は非常に古く、7世紀ごろの戸籍もあるそうです。
戸籍(除籍、原戸籍)は保存期間(以前は80年、現在は150年)があるので、実際に役所で取得可能なものとしては、以下の戸籍になります。
①明治19年10月16日~明治31年7月15日(明治19年式戸籍)
②明治31年7月16日~大正3年12月31日(明治31年式戸籍)
③大正4年1月1日~昭和22年12月31日(大正4年式戸籍)
④昭和23年1月1日~(昭和23年式戸籍 現行の戸籍)
⑤平成6年12月1日~(コンピュータ化)
法律が改正されて記載方法が変わる際に、戸籍は書き換えられ、新しいものになります。
これを「改製」といいます。(簡易改製などの例外もありますが・・・)
現在の戸籍は昭和23年からのもので、平成6年からはコンピュータ化されている場合もあります。
戸籍が改製される場合、改製前と改製後の記載内容に異なるところはありません。
ただし、改製時に写すのは、その時点でその戸籍に記載されている事項だけですので、除籍になっている者は写されません。
改製後の戸籍だけを見て相続関係を調べたのでは、改正前に除籍になっている人を見落としてしまいますので、改製されている場合は改製前の戸籍、つまり原戸籍を調べる必要があります。
最後は戸籍の記載文字について。
現在の戸籍はコンピュータ化されたものが多く、文字も活字で読みやすいですが、改製原戸籍など古いものは、手書きで書かれており、しかもB4をスキャンした画像として記録されたものを、A4に縮小してプリントアウトするので、文字が非常に読みにくいことがあります。
達筆すぎたり、ひどいクセ字だったりで、もうお手上げということもありえます・・・

そんなときは、その市役所の職員さんに尋ねるのが一番です。なんといっても、一番その文字を読んでいるのは市役所の職員さんですからね

今回の記事、具体的な戸籍を示していないので、ちょっと分かりづらかったですかね・・・

次回も相続手続について書きます。
ではまた

↓当事務所ホームページ↓
Posted by SIGE at 03:01│Comments(0)
│相続